みんな、データ活用で何がしたいの? ~大阪ガス編~

#趣味 #思考メモ #DX #データ活用

データ活用を試みる企業は非常に多い。色んなエンタープライズ企業の中計を見ても、「DX(≒ データ活用)」のように書いている企業をたくさん見つけることができる。

一方で、その会社たちがデータ活用をしたいモチベーションって何なのだろうか?

個人的な偏見として、「データの活用」はトレンドの一環として、中計に書かれがちなイメージがある。本気で、データ活用によるTo Be像がある会社ってあるのだろうか?

中計を見ながら、考えてみようと思う、というシリーズの第一弾。

①大阪ガス

データ活用といえば、河本教授が設立したビジネスアナリシスセンターがある大阪ガス、ということで、大阪ガスの中計を見てみる。

中計の読み解き

https://www.osakagas.co.jp/company/press/pr2024/__icsFiles/afieldfile/2024/03/21/240307_5_2_4.pdf

現在は2024 – 2026年の中計が実行されている途中。

まずは2023年までの中計の振り返りからスタート。

2023年までの中計では、DXによる事業変革が挙げられている。ちょうどコロナ時期ぐらいから開始した中計なので、環境変化へ適応するための中計、という色が強めだったのかも。

組織体制の強化などが挙げられており、2024年から開始した中計では、この強化した体制がどうなっているのか気になるところ。

2024年から実行されている現在の中計では、GXに関する話がメインに掲げられている。

2030年における目標は、財務目標は置いておいて、非財務目標は、GXに関わることのみ、という分かりやすさ。

この2030年像を目指すために、中計2026では、重点戦略として「3つの戦略」を描いている。このうち、「経営基盤の進化」で「”DX”による事業変革」が登場。(「ミライ価値の共創」は2023中計でも挙がっている。大阪ガスが大事にしているポリシーなのかも)

3つの約束の中身を見ていくと、「従業員の輝き向上」でも「DX中核スタッフ人材の確保」がKPIに置かれている。

そして、本命の「経営基盤の強化」は、以下3つが描かれている。

  1. ROIC経営の推進
  2. DXによる事業変革
  3. ガバナンス体制の強化

「DXによる事業変革」では、「従業員の輝き向上」と連動し、確保・育成したDX中核スタッフで新サービスの創造と業務プロセスの変革を目指す、と記載されている。

「データ」という単語が見えるのは「新サービスの創造」に紐づく2つであり、新たな顧客体験の創出では1to1コミュニケーションのため、もう1つはLNGサプライチェーンの最適化やIoTを活用した設備マネジメントのため、となっている。

業務プロセスの変革側でも、「SaaS・生成AIなどの業務への組み込み」とされており、生成AIもデータ活用の一部とみなせるかも(流儀によりそうだが)。

つまり、データ活用で何がしたいの?

①1to1コミュニケーション

②LNGサプライチェーンの最適化

③IoTを活用した設備マネジメント

がわかりやすいところで挙げられているが、恐らく、「Daigas X」もデータ活用による働き方・仕事の進め方変革が求められている。

従って、

④データ活用による業務プロセスの効率化・高度化

としても良いのではないだろうか。

じゃあ、データサイエンティストとして提案を持っていくなら、どう提案する?

私が仮にデータサイエンティストとして大阪ガスをお客様として提案を持っていくなら、どう持っていくだろうか。

私のケイパも影響しているが、たぶん、「データ分析と現場の橋渡し」みたいなことを提案のお題目にする気がする。

LNGサプライチェーンの最適化はわからないが、恐らく他の3テーマは、データ分析の研究色が強い内容と現場との橋渡しが確実に課題になるはず。大阪ガスにはオージス総研という専門家たちがいるので猶更。

例えば、1to1コミュニケーションでは、いくらでもテーマはあると思うが、データ活用の専門家たち的には何がイシュー度が高いテーマなのか分からないし、現場はデータ活用で何が解決できるのか、が分からないはず。

1to1コミュニケーションで手始めに考えられることとしては、1to1にカスタマイゼーションしたお客様への折衝だと思う。具体的には、メルマガ/SMS/DMの送付ターゲティングとか。

一方で、何がインパクトが大きいのか、そもそも、施策実施後にインパクトがあったのか検証、というのも難易度が高いはず。

(出来るかは置いておいて)私がロードマップ的に提案を持っていくならば

時期実施事項
~3カ月KPIツリーの作成/施策としての出口把握(/業務フロー理解)
~6カ月1to1マーケのための初期施策のテーマ設計・実行・効果検証
~9カ月次期施策の検討・実行・効果検証
並行して理解した業務フローから可視化やアラートによって効率化できる業務の洗い出し
~12カ月データ活用に関する継続的な体制検討
Daigas DXチームへの提案
同様にIoTマネジメントへの提案

みたいな形になりそう。

結局、具体的にデータ活用で何すんねん、という話よりも、どうやって提案するの?みたいな話になってしまった。。。

中計から理解できる抽象度の高い課題だとこんな感じになってしまうのかも笑

Comments

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です